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世界のカーニバル

 昔のヨーロッパの人々は、冬が暗くて寒いのは悪い悪魔がやってくるせいだ、と考えていました。

それで春の兆しがみえると、盛大に歌や踊りをして、冬の悪魔を追っ払う祭りを行っていました。

キリストの復活を祝い、春の訪れを喜ぶイースターは、3月下旬から4月上旬に行われます。

イースターより日曜日を除く40日前に、キリスト教の謝肉祭(カーニバル)がおこなわれます。

謝肉祭の日には、人々はおもっきり騒いで過ごします。

そしてその翌日の灰の水曜日から復活祭までの四旬節を、断食と祈りによって心身共に清めて、ひっそりと暮らします。

その大騒ぎをする謝肉祭の日に、昔からの悪魔払いの行事が一緒になり、現在のカーニバルとなりました。

カーニバルの日付
2014 3月 2, 3, 4日
2015 2月 15, 16, 17日
2016 2月 7, 8, 9日
2017 2月 26, 27, 28日
2018 2月 11, 12, 13日
2019 3月 3, 4, 5日
2020 2月 23, 24, 25日

記のカーニバルの日付は、キリスト教の懺悔の火曜日を最終日とする謝肉祭の3日間で、

個々の祭りによってはそれより以前から長く行われている場合もあります。

ニースのカーニバル
フランス ニース 

ベネチアのカーニバル
イタリア ベネチア

 南フランスの明るい日ざしの真昼時、ニースの街のマセナ広場へマルティグラ(カーニバル)の一行が入ってきた。先頭は白馬に乗り、ミモザの花束をかかえた貴婦人たち。続いて、頭がすっぽり入ってしまうような大きな仮面をかぶり、今年のマルディグラ(カーニバル)のテーマ・ミュージックを演奏してくる町の楽隊。その後ろのフロートには黄金色の冠をかぶった白衣の冬の王様が乗っている。観客は冬の王様をめがけていっせいに紙吹雪を投げつける。
 夜になると、この冬の王様は海辺で花火とともに燃やされてしまう。ニースの市民は「冬の王様が去った。これで春になる」と喜びあう。

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 サン・マルコ広場はカーニバルの日になると運河の街ベニスが海に沈むかと思われるほど群衆が集まる。個人で、あるいはグループで思い思いの仮面をつけ、仮装して思わせぶりに歩いてくる。ゴンドラの舟付場ではロメオとジュリエットの気分で架空の恋をささやきあっている二人もいる。ここではパレードのような行事はない。裏通りの土産物屋で好みの仮面を探し、似合いの貸衣装をまとえば、それだけで変身できる。老人だって造花で飾り立てた女神になれるのだ。
 冬の終わりの夕暮れには、北アルプスからの霧がこの運河の街に流れ込む。ガス燈のもとで変身したままもとの姿に戻れない旅人たちがいつまでも幻影のようにさまよっている。もっともベネチアの街らしいひと時であろうか。

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ファスナハト
ドイツ ケルン

バーゼルのカーニバル
スイス バーゼル

ドイツではカーニバルを「ファスナハト」という。ケルンのファスナハトの3日間の真ん中の日は「バラの月曜日」と呼ばれ、町中をわかせる大パレードがある。この日ケルン市民は誰もが仮装をしてパレード見物にくる。それが楽しい。普段はしとやかな家庭の奥さんたちが口のまわりを大きく赤く塗まくり、パレードの男たちを挑発する。行列に飛び込んで歌い踊りだす者、抱き合ってキスをする若者たち、その人混みの中でシャボン玉を吹きまわっている子供もいて、夢の国のようだ。

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カーニバルの日になるとスイスばかりでなく、ドイツ、オーストリアからも仮装のグループがやってきて、バーゼルの町中はおもちゃ箱をひっくり返したように、にぎやかになる。
古い町並みの横町から、神聖なマスクで、顔を隠し、静かに横笛を吹いて足並みを揃えてくる行列にお目にかかった。ライン河の河岸の町バーゼルから訪れたグループだ、周りの騒がしさにくらべて静かなる笛の音が旅情を誘う。この行列は石畳の道をしばらく歩み、人通りのない脇道へと消えていった。

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マルディグラ
アメリカ ニューオリンズ

ウィンター・カーニバル
カナダ ケベック
 

ニューオリンズのあるルイジアナ州は1800年代初期より綿花やサトウキビの出産地として栄え、多くの大農園主が財をなしていた。彼らはマルディグラになると、フロートの上に乗り、お金や宝石を貧しい人々にばらまいていた。今日では、何十台ものフロートの上に乗ったクルー(乗員)たちが、おもちゃの宝石をまきながらニューオリンズの町をパレードしていく。各フロートには仮装したキングとクィーンが乗り、50人ものクルーを引き連れている。カーニバルになると、ニューオリンズの町は、人も犬も車もフロートからまかれた宝石で着飾ってまばゆいばかりだ。アメリカで最も大きな祭りだ。

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世界で最も寒いところで行われるカーニバルはケベックのウィンター・カーニバル。なんと-30℃。吐く息が凍り、カメラに詰めるフィルムもバキバキと折れてしまう。町の中心の会場には氷の城や氷の遊園地ができる。通りには氷や雪の彫刻が並ぶ。こんな氷の世界で、ケベックの町の人々は元気いっぱいにカーニバルを楽しむ。雪のクィーンが選ばれ、イルミネーションで飾られたフロートに乗りパレードをする。凍った池での釣り大会、-50℃にも達する凍った川でのカヌーレース、水着姿になってのバレーボール大会などケベックならではの競技が開催される。 

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カリブのカーニバル
トリニダード・トバコ ポート・オブ・スペイン

リオのカーニバル
ブラジル リオ・デ・ジャネイロ

トリニダード・トバコはカリブ海の島。カリプソ音楽、そしてスチールドラムを生み出した。カーニバルの期間、陽気な人々は音楽とラム酒に酔いしれる。小学生から老人まで参加する100台のスチールドラムの競演ではその迫力に圧倒される。盛大な仮装コンテストが開かれ、コスチュームの独創性と創造性でキングとクィーンが選ばれる。カーニバルの最終日は国民すべてが熱狂するマス・パレード。テーマごとに飾りたてられた大きなフロートが何台も登場し、数百人のダンサーたちがメインストリートを昼夜にわたって踊り続ける。普段は静かなポートオブスペインが一気に盛り上がる期間だ。

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南米のブラジルは真夏。ギラギラとした太陽が照りつけている。カーニバルはブラジルの人たちが最も熱狂する瞬間だ。このひとときのために、彼らは1年を費やし、お金をため、サンバ・スクールに通う。リオ市内だけでも数百のサンバ・スクールがある。リオのカーニバルはサンバ・スクールのパレードによる競争だ。勝敗は、テーマ、踊りの独創性、衣装などで決まる。1スクールからは5千人ものダンサーが登場し、90分かけて長さ800mの会場をガンガン鳴り響くサンバのリズムとともに踊りゆく。巨大な豪華なフロートの上では何百人ものダンサーが踊り続けている。一晩で10〜12のスクールが登場し、終わるのは明け方になる。曲はブラジルへの愛をこめたサンバ。「オ〜ブラジル」というフレーズが何回も聞こえる。自国への愛国心で人々が一丸となる姿に自然と目頭が熱くなる。

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